アドニスとアドネードの話

2016.08.22 Monday

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    こんばんは、奈緒弥です。

     

    今日はなんとなく自作品『イヴの心臓』のキャラクター、アドニスとアドネードについて特に意味もなく語ろうと思います。

    本当に特に意味はないです。

     

     

     

    作品において、「アドニスが何考えてんのかよく分からない」みたいな感想を抱かれた方がいそうな気がします。

    すみません、実を言うと私も書きながら「この子はなんでエミリオに惹かれたのかしら」とずっと考えていました。

    ……そこでふと、実は一緒に頒布した冊子につけようと思っていた設定資料集を読み返してみたところ、

    こんなことを書いていました。

     

    何故何度拒絶されようとも挫けずエミリオに構い続けたのかというと、単純に彼が「放っとけない病」だからですね。お節介なんです、基本的に。

    エミリオに一目ぼれしていた という設定にしようかとも思ったのですが陳腐だし面白くないのでやめました。

    エミリオへの感情の変移としては「放っとけない子」→「甘えん坊の可愛い子」→「守ってあげたい子」→「ずっと一緒に生きていきたい子」みたいな感じでしょうか。エミリオとは違って最初から愛に満ち溢れていますね。(?)

     

    …だ、そうです。

    まあ、これだけだと説明不足も良いところなので更に補足すると、

    アドニスは生まれてすぐに親に捨てられ、孤児院で17歳まで育ちました。

    イヴ本編では孤児院最年長で、みんなの兄貴分ポジションにいた彼ですが、孤児院に入った当初は当然末っ子で年上の子たちにさぞかし可愛がられていたことでしょう。

    きっと本編の子どもたちがアドニスに頼り、懐いていたように、彼も年上の子どもたちに頼り、懐いて生きていました。

    そんな彼は、「弟がほしい」というような考えを持つようになりました。元々家族のいない彼は、「家族」に憧れのようなものがあったのでしょうね。

    そしてその感情はいつしか「誰かに頼られ、そして誰かを支えたい」というところに行きつきます。

    ……そんな折に、まずやって来たのがアドネードくんです。彼については後で述べますが、アドネードは親を失っただけではなく、かなり重たい過去を背負ってだいぶ荒んだ状態でやってきます。

    運の良いことに(?)、アドニスよりも1つ下。明らかに「愛情」に飢えている。……アドニスはアドネードが孤児院にきてすぐの頃、それはそれはビックリするくらい世話を焼きます。

    自分が「お兄ちゃん」になれたみたいで、とても嬉しかったでしょう。アドネードもまんざらではありません。荒んでいる彼ですが、優しく包み込んでくれるアドニスの暖かさを心のよりどころにしていました。

    二人はとても仲良しで、良く一緒に行動するようになります。本編では深く触れていませんが、アドニスはアドネードの過去を実はちゃんと把握しています。※ただし、父親がエドヴィンであるということまでは知りません。

    アドニスはアドネードの「兄貴」として生きることを楽しんでいましたが、いかんせん、アドネードはあまり人に頼らない。

    生きてきた境遇が境遇なためか、アドネードはあまり人に頼りません。後々詳しく触れますが、「愛されなくなる」ことに恐怖を持つアドネードは、人を頼らず、信じず、生きていこうとしていました。

    だから誰かに頼られ、誰かを支えていきたいと願うアドニスと、少々相性が悪かったのかもしれません。

    「もっと頼ってほしいな」と思っているところに、エミリオがやってきます。

    彼も、アドネードと境遇自体は似ています。(どちらも加害者はエドヴィンですし...笑)ですが圧倒的な違いは、「甘えん坊」というところでした。

    エミリオは本人の意志はともかく、甘えるのが上手な子です。母親であるエヴァにあれだけ大事に大事に育てられ、愛されてきて、その愛を貫かれた子ですから、当然と言えば当然でしょう。

    アドニス的にはかなり理想的な存在だったと思うのです。だからそれはもう鬱陶しいくらいに構い倒します。そうして構い続けているとどんどんどんどんエミリオくんはアドニスにべったり甘えてきてくれるわけです。

    アドニスはもう大変嬉しかったんですね。……もしかしたら、アドニスの中のエミリオへの「愛」は所謂「恋愛」的なものではなくて、「家族愛」に近いもの、あるいは、庇護欲とかそういうもののほうが近いのかもしれません。

    そしてある種の執着もあったのでしょう。「この子は俺が守らなきゃ」「俺が助けなきゃ」「俺が支えなきゃ」「俺が一緒にいなきゃ」……その考えに支配されていたのかもしれません。

    だから、アドニスは「エミリオに恋した」というわけではないのかも。書いた本人がこんなこと言うのはあれなんですけど(笑)

    でもそこに「愛」はあるはずです。「愛」がなければ、約束をしたからと言って彼を「迎えに」行くなんてしないでしょうし。

     

    ところで、私は正直なところアドニスの「恋愛感情」はアドネードに向いていたのではないかと考えるようになったわけですが。

    上のような感情の変化はあれど、アドニスってアドネードに優しいんですよね。

    その優しさがなんというか、妙に愛情深いな、とか思ったり思わなかったり。

    しかしアドニスは「エミリオの傍にいる」ということを自分自身の生きる目的に設定してしまったのでしょう。だから、それ以外もう考えられないんです。

    仮に、本当にアドニスがアドネードに恋をしていたとしても、アドニスがやるべきは「エミリオと共に生きる」ことで、アドネードと恋人になることではなくなってしまった……。

    かなり前に、「たとえエミリオが来なくてもアドニスはアドネードを好きにならない」と言ってしまったんですが、後々じっくり考えて見ると、むしろエミリオが来なければアドニスとアドネードは恋人同士になったのではないか、と思うようになりました。

     

    アドニスは案外可哀想な子なのかもしれません。

    家族がいなくて、「家族」というものに執着して。だから「家族」を欲して、……でも本当の「家族」を知らないから、

    「家族の作り方」が分からないままで、恋と友情と庇護欲とがごちゃまぜにしてしまったのだと思います。

    結果、ああいうオチになった、と。

     

     

    逆にアドネードは「家族」を知っています。「家族」の暖かさと、同時に「脆さ」も知ってしまっています。

    アドネードは、彼の母親と、そしてドクター・エドヴィンとの間に生まれた子です。その事実が家に知れてしまったときから彼は虐待を受けるようになり、更にその恵まれた美貌にドクターが興味を示したことに嫉妬した母親の手によって身体と顔を焼かれ、その炎のせいで家も燃え、それなのに幸か不孝か生き残ってしまいました。

    イラストで見えている部分には傷がありませんが、前髪の下と、あと洋服で隠れている部分は火傷の跡が生々しく残っています。

    彼はその傷跡を見る度に過去を思いだして苦しくなって発作を起こすようになってしまいました。せっかく綺麗な顔をしているのに、彼は自分の顔が大嫌いなのです。

    アドニスの話のときに触れましたが、こういう経緯から、アドネードは「愛されなくなること」が怖くて、誰かを信じて頼ったり、愛したりしないようにしようと決めていました。

    ……しかし、アドニスに恋をしてしまいました。 でも、恋仲になろうとか、そういう考えはありません。「愛の脆さ」を知る彼は、思いを通じ合わせることが怖くて仕方ありませんでしたから。

    それでも自分を照らしてくれる太陽、アドニスへの想いは日に日に募っていきます。……そんなときにエミリオがやってきます。

     

    先日、仲良くしてくださっている演者さんたちと通話をしたときに、「アドネードとエミリオって友達になれたんじゃないか」みたいな話をしたのですが、境遇も似てますし、アドニスがエミリオに恋をしなければ多分二人の関係はもうちょっと変わっていただろうなと確かに思います。

    ただ、アドネードは...

     

    「顔も美しく母親に愛されていた」エミリオが心の底から憎くて仕方がありませんでした。

     

    ……という設定がありまして。(例の設定集もどきより引用)

    結局仲良くできたかどうかは分かりません。でも、きっと多少は変わっていたはずです。多分……。

     

    彼に関しては結構色々な質問をいただきまして、その都度色々答えてはみたのですが、役に立っているのかどうか...(笑)

    とりあえず「何故あの声にしたのか?」ということに関しては「涼やかで美しい見た目のわりに声が低い」をやりたかったんです...という答えしか返せません!(笑)

    丁度その時「見た目の割に声低い」キャラクターがマイブームだったこともありまして。 こうなった次第です。

    それから、アドネードのエドヴィンへの感情、ですが……。

    基本、アドネードはエドヴィンが大嫌いです。自分勝手に母親との間に自分を作って、だいたい自分のせいでアドネードがこんなことになったのに、「火傷の跡で醜くなったから君にはもう興味ない」と言って捨てたくせに、

    ちょいちょい構ってきたり、あと実は裏で手を出していたり、とんでもないことばかりやらかしてくるので。

    でも同時に、「唯一の肉親」としてそれなりに思うところはあるようです。

    大嫌いだけど、完全に拒否できない。 エドヴィンがまた心を弄ぶのが上手い男なので、余計に彼は翻弄されています。

    アドネードが本編最後、エドヴィンの話に乗ったのも、エドヴィンが彼の心を上手く使ったからですね。

     

    大嫌いだったエドヴィンに持ちかけられた話に乗り、エミリオを貶めますが、彼はエミリオがまさか殺されるとは思っていません。痛い目にあえばいい、と思っていただけでした。

    一度は捨てたはずの息子、「チャック」=アドネードの、アドニスへの好意とエミリオへの嫉妬心を利用するなど、「美しいもの」を手にいれるためには手段を選びません。(エドヴィンの項目より引用)

     

    ……アドネードのアドニスへの愛が、エミリオの死へ繋がってしまったのかもしれません。

    ですが、

     

    それでも最後、「やっぱり駄目だ」とアドニスにすべて伝えたのは、ひとえに彼が、アドニスを愛していたからです。アドニスだけは裏切りたくなかったから。

     

    その彼の愛のおかげで、アドニスはエミリオの最期に間に合った、ともいえるわけで。

    ……アドネードは悪い子ではないんです。ちょっと荒んでいるけど、でもただ純粋にアドニスが好きで、彼には本当にアドニスしかいなかった、だからあんな行動をした、と。

     

    アドネードについてはまたいつかじっくりやるので、まあ、今はこれくらいで。

     

     

     

     

    まあ、あの、ここまで長々と書いて何が言いたかったのかといいますと

     

     

     

     

     

     

    私は、

    アドニスとアドネードがメインCPだったほうが良かったのではないかなと

    少しだけ

    思っています

     

    ってことですかね。

    とんでもない締めになりましたが今回はこれで。

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