『Ciere2〜忘れない旅人のはなし〜』ノベルについて

 

こんにちは、奈緒弥です。

 

先日はAPOLLOお疲れ様でした!

今回もたくさんの方にお手にとっていただけてとても嬉しいです。

是非楽しんで聴いてくださいね。

 

本日は、そのAPOLLOで配布しました新作『Ciere2〜忘れない旅人のはなし〜』の

おまけノベルについて、簡単に解説?しようかなと思います。

本編・ノベル共にネタバレを多分に含みますのでご注意ください。

 

◆旅人の生まれた日

 

この作品は、旅人=ライゼが誕生したときのお話です。タイトルの通りですね。

冒頭、突然語り始めるのは2で初登場した新キャラ「ウェルト」。

彼は「精霊」なのですが、一体どういう立ち位置にいるのか……

彼曰く「自分で考えるのが大切だ」ということでまだ正体は明言しませんが、

彼は世界に起こっているすべてのことを把握しています。

だから当然、ライゼのすべても把握しています。

ウェルトとライゼはたいへん近しいキャラクターで、ライゼの「旅人」という設定や、

あのマイペースな性格はウェルトから引き継いだようなものです。

 

お話の冒頭で、精霊たち3人が旅人を生み出しました。

理由は「世界を保つため」。

ライゼやシエールたちが生きる世界(ウトピーアと言います)は今、滅びの危機に瀕しています。

その理由は、世界をつくったとされる「精霊」のことを、世界に暮らす人々が忘れかけているから。

世界は精霊の力によってその姿を保っています。ですが、その精霊が消えると、世界も消えてしまう。

そして冒頭でウェルトが言っている通り、彼ら唯一の弱点は「忘れられること」。

人々に忘れられると精霊たちは消滅してしまう⇒忘れられつつある精霊たちはだんだんと姿を消していっている⇒世界が滅びはじめている …というのが現状。これは大変な問題でした。

そこで精霊たちは考えます。「いっそ、彼ら自身の記憶をもってして世界を保たせればよいのではないか?」と。

けれど、人間や妖精たちの命は有限です。

たとえ彼らが死ぬまで自分の記憶を抱えて生きていたとしても、死んでしまったら、その記憶も失われる。

「この世界が存在する」という記憶すらも。

その記憶が完全に消えた時、世界は消滅する。

だから、世界に散らばる記憶のすべてをたった一人、「旅人」に覚えさせて、永遠にする。

そして旅人がいれば「精霊」たちのことも忘れられないので、彼らも消えることがなくなる。

これが、精霊たちの考えでした。

故に「旅人」=「ライゼ」は生み出され、旅をすることになったのです。

これが、彼の「世界のすべてを見るため」「記憶を集めて覚えておく」という旅の目的の説明です。

 

ここで「精霊」たちのお話を少し。

今現在生き残っている精霊は全部で4人。

一人は冒頭に出てくるウェルト、もう一人は2の物語にも登場するケニス。残り二人は、ノベルにのみ登場するジールとキュキュです。

彼らは「精霊」の中でも特に強い力を持つ存在で、世界を作り出したのも彼らです。

4人の中心(というか頂点)にいるのはウェルトで、彼は精霊の中でもトップクラスの力を持っています。

そしてケニス。彼女はウェルトに次ぐ強い力を持つ存在で、「知識」をつかさどる存在でもあります。

また、ジールは「魂」をつかさどる者、キュキュは「力」をつかさどる者というそれぞれの役割があります。

(彼らのそれぞれの役割は、すなわち「世界で生きるものたちに必要なもの」。)

ジールとキュキュは2の時間軸でも生存していて、それぞれ彼らの住処(精霊たちの住まう街など。ケニスでいうところのエルフの里)で暮らしています。

存命している精霊たちは、けれど人々に忘れられつつある影響で、昔ほどの力を持っていません。

だから、最後の力を振り絞って世界の希望となるであろう存在、「旅人」をなんとか一人生み出しました。

 

そしてお話は、旅人が生まれてからシエールという少女に出会うまでを描きます。

旅人は、精霊たちによって生まれました。

けれど、本当の意味で「命」を手に入れたのは、シエールと出会ったから。

ぬいぐるみのメルが、シエールに「命」をもらったのと同じように、

旅人のライゼもまた、シエールに「命」をもらって、「ライゼ」という一人の存在になった。

それまで、旅をするためだけの存在、ある種の傀儡のようなものだったライゼが、「ライゼ」として生きるようになったのは、

彼にとっての大切な存在、シエールと出会えたからなのです。

 

そしてライゼはこれからどんどん「ライゼ」として成長して、

驚くほど「人間的」になります。

 

その「人間的」になったライゼとシエールが悩み苦しみ導き出す結末が、Ciere3になります。

3については後述「希望の魔女と永遠の旅人のはなし」で詳しく解説します。

 

 

◆彼らのはなし

 

これについては特に解説すべきこともないのではないかな、と思います。

2に登場した妖精たちとかかわりの深い人間たちの後日談的なお話です。

 

2本編では妖精たちに焦点をあててお話を展開させたので、人間たちのその後は分からなかったのですが、

彼らもまた、自分たちの未来をきちんと歩いていたんだよ、ということ

そして妖精との出会いが、深く深く、彼らの記憶に刻まれているんだよ、ということを表現できていたらいいなと思っています。

 

姫様とアーヴィングは、どちらかというとこれから「思い出」をつくっていく側で、

きっとまたいつかライゼが王国に訪れた際に、

アーヴィングがお姫さまとの「思い出」を彼に語ってくれるのだろうな、と思います。

 

 

◆メルの日記

 

こちらも特に解説すべき点はないかなと思います。

ずばり、メルの「妖精の森」での日々のお話です。

メルはシエールとライゼのお友達で、Ciereシリーズのメインキャラクターではありますが

「主人公」として物語の中心におかれることがないので、この機会に彼(?)視点のお話をするのも面白いかなと思いました。

普段は素直じゃなくて、なかなか正直に心の内を話してくれないメルですが、

実はこんなことを考えていたんだよ、というのが伝われば嬉しいです。

 

「主人公」ではないですが、メルのコメディな感じのスピンオフとかやったら楽しそうだな、とメルの日記を書いてちょっと思いました。

 

 

◆希望の魔女と永遠の旅人のはなし

 

さて、これが一番解説が必要なのではないかなと思います。

 

ノベルフォルダ内に注意書き(?)をいれていましたが、

このお話は2の続編にあたる『Ciere3〜希望の魔女と永遠の旅人のはなし〜』という物語の

冒頭と、後日談です。

 

そもそもなぜ、2の時点でこのお話をいれたのかと言いますと、

3は、もう表に出さないでおこうかな、というふうに当初考えていたからです。

上のほうで、「これからライゼはどんどん人間的になる」というようなお話をしました。

その、「人間的」になったライゼを登場させていいものか、私の中で深い葛藤がありました。

 

Ciereという作品は「ほのぼの、優しい、暖かい」世界の物語で、それだけは絶対にブレないように(普段の自分のクセを必死で抑えながら)書きました。

しかし、「人間的」になったライゼを登場させると、その「ほのぼの…」から外れてしまうのではないか、

お話があまりにも壮大になりすぎて、面白くなくなってしまうのではないか。

そういう不安がありました。

 

3は、Ciereシリーズの最後の物語です。

2の構想を練り始めたころから、その結末についてもすでに考えてありました。

だからこそ、「シエールはここで終わらせた方がいいのではないか」という思いが私の中にあって、

でも、せっかく考えたのに一切出さないのはもったいないような…という優柔不断なところもあり(笑)、

ひとまずおまけノベルとして3についてサラっと触れておこう…ということにしました。

 

今でも、3についてはどうするか決めかねているところがあります。

ここまできたらやったほうがいいのかなと思いつつ、

でもやっぱり、これまでのシエールシリーズの雰囲気を壊しかねないというところが怖く。

でもいつかどこかで、全容を明かせたらいいな、と思ってはいます。

 

 

……前置きが長くなりました。

『希望の魔女と永遠の旅人のはなし』についてですが、

A のほうは特に解説すべき点はないかな、と思っています。

これはまさにCiere3の冒頭(プロローグ)にあたるお話で、ここからお話が展開していくのです。

シエールの小屋にケニスが訪れて、シエールに「力を貸してくれないか」という風に頼む。

しかしそれを、ライゼはあまり快く思っておらず…… という風に。

 

そしてB これは、3のお話が全て終わったあとの物語です。

ざっくり3の内容を言うと、「シエールとライゼが力をあわせて世界を救う」という感じなのですが、

その救われた世界で、「妖精の森」はいつもと変わらず平和だよ、という描写です。

フェアリーのタム・リンは相変わらず姦しく、メルは花粉に弱く(笑)

モルーアはおっとりのんびり、ムルトは働き者でトールは偏屈なまま。

シエールたちの愛する「妖精の森」がそのままの姿で平和に美しくそこにあるんだ、というお話。

 

Bにおいて一番解説すべきなのは、やはりシエールの中にいる「精霊」のことだと思います。

作中で、

 

それは、ほんの少し前のお話でした。世界を救うため、この世界を作り出した精霊たちに頼まれて、シエールは、ライゼと一緒に、新しい精霊を生み出したのです。

その精霊の名前は、「アマル」。希望の意味をもつその精霊は、今、シエールの体の中で、少しずつ、成長しています。

 

という説明があります。

Ciere3は、ここが一番重要なところで。

この二人の行為によって、世界が救われるのです。

 

A(プロローグ)で、ケニスがシエールに「力を貸してくれ」と頼みにきます。

精霊たちには、もう力がありません。

でも、自分たちと同じような力を持つ少女がいるということをライゼから聞き、

もしかしたら彼女ならば…という、藁にも縋るような気持ちでシエールに話を持ち掛けました。

そしてシエールは承諾します(その承諾までにライゼとの色々なやりとりがあるのですが)。

 

ケニスは言いました。

「肉体はあくまでも人間であるシエールが、世界のために力を使えば、シエールは死んでしまうだろう」

けれど、

「肉体は精霊のものであるライゼと共に使うことで、人間の身体に負荷をかけることなく、世界のために力を使えるはずだ」

と。

そのあたりのからくりは説明すると長いので省きますが、

要するに、

シエールとライゼの共同作業が世界を救う! ということです(?)

 

かくしてシエールとライゼは力を使って、

世界を救済するために新たな「精霊」を生み出しました。

それが、「アマル」。まさに名前の意味は「希望」(アラビア語)。

アマルは滅びかけた世界を再生する力を持っています。

けれど、生まれたばかりなのでまだまだ力が不十分です。

だから今は、シエールの身体の中にいて、シエールの力を少しずつ与えられる形で成長しています。

(なので、実はBの時点でシエールは1の時ほどの魔力を所持していません。)

 

そしていつかシエールが「いなくなって」しまうとき、

シエールの力を全てもらったアマルは「精霊」として目覚め、世界を守るようになるのです。

 

シエールは、力を持っているけれどあくまでも人間です。

人間の命は、精霊たちにとってはあまりにも短いものです。

だからその日は案外早く訪れて、

ライゼはいずれ、シエールと「お別れ」しなくてはいけません。

けれどそれは、悲しいことではないのだとシエールは言いました。

 

「だってライゼは、忘れない旅人、なんでしょ?」

「……」

「ライゼが忘れないでいてくれたら、私はずっと、ライゼと一緒にいられるの。そう…いうことでしょう?」

 

覚えている限り、その人は本当の意味ではいなくならないから。

旅人のライゼが生まれた理由、存在した理由が、ここで生きてくるのです。

そしてライゼは決めるのです。

 

 

「僕が君を、永遠にしてあげる。」

 

 

忘れない旅人は、一生、彼が愛した少女のことを忘れません。

そしてすべてを未来に語り継ぎ、この世界に希望をもたらした魔女の少女の存在を「永遠」にするのです。

これが、『希望の魔女と永遠の旅人のはなし』というサブタイトルにもつながる、

Ciereシリーズ一番大きなテーマであり、結末です。

 

……というお話なのですが、

やっぱり概要を説明するだけではいまいち伝わり辛いものなので

いつかボイスドラマでなかったとしても、形にできたらいいなぁ〜とは思います。

 

まあ、といっても、もし本当にやるのであれば、

3の前に一つ「外伝」を入れなくてはいけないのですが。

「外伝」は今回出番の少なかったウェルトが主人公の物語。タイトルは『Utopia Historia』。

「精霊」たちが今の世界(ウトピーア)を作ることになった理由を描くお話です。

これはもしやるのであればボイスドラマではなく、歌物語形式にできればいいなという願望があります。

今回ノベルでしか登場しなかったジールやキュキュも登場します。

 

 

もしそのときがきたら、

いつも通り全力で制作に取り組もうと思っておりますので

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

ではでは、今回はこれで。

次の物語で、お会いしましょう。

 

奈緒弥

18:59 | ボイスドラマ | comments(0) | - | author : 奈緒弥
COMMENT








<< NEW | TOP | OLD >>